症例報告

症例報告

【ご注意】以下のページには手術中の写真が含まれています。あらかじめご了承の上お進みいただけますようお願い申し上げます。

門脈シャント

2020.06.22
◆マルチーズ 8か月令 雄
◆稟告 なし(無症状)去勢手術の術前血液検査で本疾患を疑う

◆検査
血液検査にて胆汁酸値の著しい上昇を認める
超音波検査にて異常な血管走行を確認
CT検査(キャミック)にて門脈シャントの確定診断
タイプは「右胃静脈~後大静脈の短絡」

◆手術

確保したシャント血管を造影しX線で確認。(右上写真)
その後、門脈血圧を測定しながら結紮を進めました。
この症例は、シャント血管結紮に対し、門脈圧の上昇は一切認めなかったため完全結紮。
その後しばらくの間、腸管の色や動きに異常がないことを確認後閉腹しました。

◆経過
門脈シャントの手術では術後の門脈圧亢進や難治性の発作が報告されます。
この症例では、術後の経過に問題は認められませんでした。
その後の血液検査において、異常値のあった検査項目は全て正常化し完治と考えられます。
後日、去勢手術と残存乳歯抜歯も無事に終了しました。