症例報告

症例報告

【ご注意】以下のページには手術中の写真が含まれています。あらかじめご了承の上お進みいただけますようお願い申し上げます。

犬の皮膚肥満細胞腫

2021.04.05
◆トイプードル 11歳11か月 避妊メス
◆稟告 お尻にシコリがある 


右臀部に約3㎝のブヨブヨした腫瘤性病変。
境界は不明瞭。
顕著な痛みや痒みは認めない。
軽度発赤。

◆診断
皮膚肥満細胞腫(皮膚癌の一種)
診断は注射針を刺して吸引し、採材した細胞を染色。
これを、顕微鏡下で観察し肥満細胞の集簇を確認。

◆治療
切除可能な場合は、外科的切除が第一選択となります 。

肥満細胞腫の特徴は、側方および底部への浸潤が強いことです。
よって、手術は広範囲拡大切除が必須となります。
写真の様に大きく切除することによって完治を目指します。
この症例では、回転皮弁という方法で切除欠損 した皮膚を閉鎖しました。

◆経過

術後4週間の写真です。
切除した腫瘤は22㎜と比較的大きくありましたが、深部および側方マージンは十分とりましたので、
切除縁において腫瘍細胞は検出されませんでした。
完治が期待されます。